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2024 / 11 / 03  00:00

厚労省が日本人の食事摂取基準(2025年版)を公表

厚労省が日本人の食事摂取基準(2025年版)を公表

厚生労働省は10月11日

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」を新たに公表しました。

その内容としては、骨粗鬆症とエネルギー・栄養素との関連についての解説が加えられた他、

食品中の食物繊維含有量の測定法が近年変更されたことに触れ、その目標量がやや変更されました。

また、鉄の耐容上限量が削除されたということで、今回は鉄の耐容上限量について詳しくお伝していきます!

鉄に関しては、2020年版の耐容上限量は

成人男性では50mg/日、成人女性では40mg/日となっていました。

しかし、一般的な食事等に由来する鉄が過剰に臓器に蓄積する事例には

鉄吸収制御に関わる遺伝子等の異常が関係していて

遺伝子の異常がない場合には食事からの鉄の摂取が多くても

ヘプシジン※による調節によって吸収量が正常な範囲に維持されるため

過剰障害のリスクは無視できるとの報告があることなどから

耐容上限量の設定が見合わせられたということです。

なお、月経のある日本人女性における鉄欠乏の最大の要因は月経に伴う鉄損失であって

鉄摂取量とは関連がないという報告があり

推奨量を超えて鉄を摂取しても必ずしも貧血の予防にはつながらない可能性があるとのこと。

また、健常者であっても、長期にわたる鉄サプリメントの利用や食事からの過剰な鉄摂取が、臓器への鉄蓄積を介して、健康障害を起こす可能性を否定できないとされています。

これらから、推奨量を大きく超える鉄の摂取は、貧血の治療等を目的とした場合を除き、控えるべきと記されています。

ヘプシジンとは体内の貯蔵鉄の量が多い場合に肝臓から多く産生され、それにより主に鉄の吸収を抑制する指令を出すホルモンです。